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目次

 ファンコーニ症候群とは(初級編)
 もっと詳しく(上級編)
 例外:尿に糖が出ないファンコーニ症候群に類似したケース

ファンコーニ症候群とは

初めてファンコーニ症候群を知りたい方(初級編)

ファンコーニ症候群とはどういう病状のこと?
という説明を簡単に致しますネ。

腎臓の働きは色々ありますがファンコーニに関係しているのは以下の働きの時です。

腎臓は血液をろ過して老廃物など不要なものを尿として体の外へそして体に必要な栄養は血液中に戻してくれる働きをしています。(再吸収)よって体内には栄養が不足することなく、必要な栄養はきちんと体内に戻り、留まってくれるのです。(人も犬も)

又、腎臓でのろ過行程は2度あり、1度目はおおざっぱに、2度目はきっちりって感じでしょうか(笑)

1度目のろ過活動で出きる原尿(オシッコの元)には沢山の栄養が大量に残っており、グルコース(糖)もアミノ酸も水も生命の維持に必要な栄養がまだまだ含まれています。

2度目のろ過活動で生命の維持に必要な栄養は色んな段階を経て血液中に戻り(再吸収)不要なものはオチッコとなって外に出てきます。

ファンコーニの遺伝が現れてしまう部位は、この2度目の行程の尿細管というところになります。

上で説明したとおり生命の維持に必要なグルコース(糖)やアミノ酸は尿細管で漏れることなく完全に体に戻るべきなのですが、ファンコーニ症候群を発病するとこの尿細管がダメージを受け残念ながら栄養は体に戻らず(再吸収出来ず)オシッコに出てしまうっちゅうワケです。

お料理で使うザルなどを想像してもらえば解り易いのですが、グルコース(糖)やアミノ酸などは血液中の栄養の分子としては大きい部類になります。ので、健康体のザル(尿細管)では網目を通過出来ません。

だからグルコース・アミノ酸などは100%体内に戻ります。

ですがファンコーニ症候群を発病すると、このザル(尿細管)の目が大きくなってしまい本来ならば再吸収されるべき大きい分子のグルコースやアミノ酸を通してしまうのです

※1)100%ではありません。そんなことになったらすぐに悪化してしまいます。
症状が進行していれば沢山通しているかもしれないし早期に発見し、すぐに治療を始めればダメージが少なく少ししか通してないかもしれない。症状の進行具合は個体差によります。

※2)ネフロン(詳細は以下上級編参照)は、常に100%活動しておりません。一部活動して一部お休みする仕組みです。ファンコーニを発病してしまうと尿糖が常に出る子が多いのですが、中には尿糖確認から数年たっても尿糖が出たりでなかったりする個体もいます。これはファンコーニのダメージを一部のネフロンが受け、一部のネフロンはまだ正常であると思われます。よって、すべての栄養が常にバンバン出てしまうのではなくダメージ具合によるものと思ってください。ですが、バセンジー犬であり一度でも尿糖が出ればファンコーニ症候群の発病と認識し、そして早い段階で現状維持できるよう努めてください。


いわば1度目のろ過行程の沢山栄養が含まれている原尿がオシッコに出てしまっている状態になります。

※1)・2)の理由により、治療をしていない子でも数ヶ月・・・数年・・・治療せずとも生きれるのだと思います。
徐々に栄養がなくなり、ゆっくりゆっくり進行しますが、常に栄養が不足している体は他の病気を併発したりし、
いずれ手に負えない状態まで進行してしまいます。


だから、この病気の理想的な治療はできるだけ早く発病をキャッチし食事を正すコト。
そうすれば腎臓のダメージを少なく出来、オシッコに栄養が出てしまってはいますが食事で補えてるので健康体の犬と変わらない生活ができる・・・発見が早ければ早いほど、そして治療に取り掛かるのが早ければ早いほどこの遺伝的ダメージは最小限に抑えることが出きる。という仕組み(★注記:ゴントー先生の進める治療)なんです。

たかが尿糖で遺伝病?メッチャ元気だから必要ないでしょ?
血液検査は正常だし・・・と思われることが多いですが発病すれば確実に尿から栄養はどんどん出ていっているワケですので目に見えた症状がまったく出てなくても、血液検査が問題なくても一度でも尿糖が出て、血液中のグルコースが正常であれば(そしてバセンジー犬であれば)ファンコーニ症候群の発病と認め早いうちからケアするに越したことはないのです。(早期発見・早期治療の呼びかけはこの理由です。)

尿から出てるであろう栄養達を口からとる食事でガンガン与えるよう心がければ、多少の症状が出ても、元気でいてくれるんですヨ!

ので、症状を進行させないために早い段階から食事のケアにとりかからなくては悪化してからでは手遅れになりがちですし、駆け込まれたお医者さんがこの病気の正しい治療法を知らなければ注意しなければいけない処置がわからず、誤治療に繋がる可能性がとても高い病気なのです。

何度もお話している良質なタンパクや栄養を沢山とって体内で是正(胃腸での消化吸収をさせる)し、体を維持しましょう!!というお話は、とても理にかなった治療方法なんですよ。

という事で、ファンコーニ症候群とは遺伝病によりタンパクも、糖も、他の栄養も、腎臓で再吸収されない栄養が
オシッコにダダ漏れしちゃってしまう病気・・・と、思ってください。

★注記:ゴントー先生とは・・・アメリカの人間のお医者様です。
愛犬(バセンジー)が発病したファンコーニ症候群を長年研究され治療方法を見つけられました。
そしてその治療論文を世界の獣医師向けに広めたファンコーニ症候群治療の第一人者です。
現在も研究は続けられています。


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もっと詳しく(上級編)

腎臓の役割からご説明します。

腎臓は血液をろ過する仕事だけでなく栄養を再度取り込む優秀な再吸収機能をも兼ね備え、更には体内の環境を調節し、内分泌的な働きも行う大変『働き者の臓器』です。
また正常な機能の75%が失われないと、外見的症状の確認や検査結果に反映されない『沈黙の臓器』とも言われています。

『働き者』』かつ『沈黙(極限までがんばる)』、そして一度ダメージを受けると治ることのない大切な臓器。
人にとっても犬にとっても
『肝心(腎)要の臓器』なのです。

近年は腎臓病に罹る犬猫が増えてきています。
犬の死因のトップ3は、ガン・心臓病・腎臓病です。
早期に発見し、ケアに取り組むにこしたことはありません。

特にバセンジー犬に多いファンコーニ症候群は腎臓の病気です。
ファンコーニ症候群を発病し、違う病気(多臓器不全、他)を併発するというケースも多々あります。


その時に早期発見・早期治療に努めた犬と、全ての症状を見落とし症状が進んでから発見された状態では、飼い主の負担も、なにより犬の苦しみ・負担もずいぶんと変わってくるのではないでしょうか?

ファンコーニ症候群を発病する犬の大半がバセンジー犬またはバセンジーの遺伝を持つ犬と統計が出ていますので、ここを目にされた飼い主さん・獣医さんにはその現実を受け止め、バセンジー犬を迎えた後の生活(もしくは、迎える覚悟の一端)に、ファンコーニ症候群への理解をいただければと思います。

腎臓の話から少しそれましたが・・・

腎臓は約41万個のネフロンと呼ばれるろ過機能があり、そのネフロンの中でろ過し・再吸収を行います。

※ネフロンとは・・・糸球体・ボウマン嚢・尿細管(近位尿細管・ヘンレ係蹄・遠位尿細管)・集合管の総称です。

ネフロンは糸球体という毛細血管の塊と腎細管と呼ばれる細長い管からなり(糸球体1個と腎細管1本を1組),
糸球体の壁に無数にある微少な孔から血液中の限られた物質だけを通過させ血清蛋白および血液細胞(赤血球・白血球など)は通過できない仕組みになっています。
※通過できる物質・・・アミノ酸・グルコース・水・ナトリウム・カリウム・重炭酸などの塩類

このように、糸球体がろ過する物質とろ過しない物質を振り分け、ここを通過した物質と液体が原尿と呼ばれる最初の尿の形成となります。(一次尿)

この原尿は大量の水分を含むだけでなく、グルコースやアミノ酸などの生命の維持に欠かせない物質も多く含み、その為、原尿がそのまま尿として排泄されるとその動物はたちまち重度の脱水に陥り、グルコースなどの栄養分が枯渇し致命的な経過をたどることになります。

しかし実際には、体重10kgの健康な犬の尿は約0.2リットルと原尿の生成量と比べるとはるかに少なく、急速に脱水することも、栄養素が欠乏することもありません。
それは、糸球体でろ過された原尿が尿細管や集合管を通過する過程で、再吸収という非常に重要なプロセスを経て尿が完成しているからである。

ろ過された原尿は直ちにボウマン嚢にこし出されます。

その過程で、ボウマン嚢に移行した原尿は近位尿細管から始まって、集合管までゆっくりと流れその過程で、原尿中に大量に含まれるグルコースやアミノ酸は完全に再吸収されます。

よって、正常な動物では、尿中にグルコースは存在しません。


小さい臓器ながらも、他の臓器に比べると非常に大量の血液が腎臓を通り抜け、上記のような働きをします。
   
腎不全などに罹ってしまった場合、このネフロンの働きが壊れていかないよう食事療法で腎臓の負担を軽くし、症状の悪化を抑えます。
※ただし、ネフロンはその全てが常ににフル回転しているワケでなく普段はその3分の1が働き、3分の2が休んでいいます。

健康な腎臓であれば休憩を取りながら働いているので腎臓への負担軽くなりますが、腎不全などネフロンが壊れていく症状が進めば、機能しているネフロンは休む暇も無く、24時間365日負担がかかってしまいます。

このように、腎臓は体で重大な役割を果す臓器であることを忘れないで下さい

* * *


そして、ようやくファンコーニ症候群のお話なります。

ファンコーニ症候群とは、腎臓(近位尿細管〜集合管)で、ろ過する物質と・ろ過しない物質の分別がきちんと出きず、必要な栄養(グルコースやアミノ酸、そして、他にも水・ナトリウム・カリウムなどの電解質・重炭酸などの塩類等)が、駄々漏れになってしまう状態のことです。

腎臓の機能で説明している健常な犬では問題なく行われる正常なろ過機能がうまくいかず、生命の維持に必要な物質が、尿に出続けてしまう病気ということです。

栄養が常に尿に出続けるため治療は食事療法がメインとなり、食事から高たんぱく・高濃度な栄養をとり入れ、出て行く栄養を体内で是正させることをしなければいけませんが、発見が遅れるとゆっくりと痩せ衰え、栄養が足りないことで色々な臓器に負担がかかり違う病気を併発した状態まできて発見されることも少なくありません。
又、タンパク質も尿に出てしまので筋力が衰えてしまいます。それは目に見えない体内の筋力も衰えるということです。

私はバセンジーオーナーなので、バセンジー犬に限りのお話をします。

アメリカでバセンジー犬のファンコーニ症候群の治療を研究され論文を発表し、ファンコーニ症候群の研究の第一人者、医学博士Dr.Steeve Gonto氏の言葉を信じて言い切りますが、尿に糖が出て血液検査でグルコースが正常なバセンジー犬は、ファンコーニ症候群を発病したと思ってください。

稀に、薬物の投与による発病や過度のストレス、外的ダメージ(暴力)などで腎臓にダメージが加わりファンコーニ症候群を発病するケースもありますが、思い当たる事情が無ければ、尿糖と正常な血糖値の結果がそろった時点でファンコーニ症候群と判断してください。

早期に発見し治療に努めれば、腎臓のダメージは少なくなり苦しみは軽減されます。

以後“日常できるファンコーニチェック”を参照にして、家でできる事を習慣づけ、健康診断では尿検査を欠かさない、また、誠に勝手ながら、お友達バセンジーにもこの病気の注意を呼びかけていただければ幸いです。

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例外:尿に糖が出ないファンコーニ症候群に類似したケース

近年になり、今まで疑惑でしたがごく稀(?)な症例が、ファンコーニ症候群と思って良いのでは?という話が出ています。あくまで憶測のお話ですが、当方の主治医も感じていることですので、あながち間違いではないかと思います。
該当のバセンジーちゃんは、是非とも気を付けてくださいネ。

上記に書き綴ってきましたが、ファンコーニ症候群は尿に糖やたんぱく質や色々な栄養が出て行く病気です。
発見方法の一つに、尿検査=尿糖、そして血液検査のグルコースは正常値(もしくは低値)が目安になっています。

ただ、ファンコーニ症候群の情報が耳に届きだして数年。
尿に糖が毎回出ない。数年たっても尿糖はチラホラという子、もしくは、尿に糖は確認できないけどその他の病状がファンコーニ症候群に類似し、診断は常に原因不明。あげく、腎不全になり亡くなった…というバセンジーさんのお話が数件届いていました。

尿に糖がチラホラしか出ない場合は、当然ですが病院で尿糖を確認してもらえる確率が下がります。
尿に糖!そして血糖値は正常!の定義が第一診断目安となっているファンコーニ症候群の診断では、これではもちろんファンコーニ症候群と診断が下りることはありません。

そういう場合の為に、出来れば家で出来る限りチェックして尿に糖が出たものは画像に取って診察時に見てもらうなどしてほしいと思いますが、この場合はとにかく1度でも尿に糖が出てるのでファンコーニ症候群を発病していると思ってください。








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