HOME血液ガス分析検査の必要性

はじめに

治療方法のページでお伝えしているケアはすべて必要な内容でありますが、なかでも血液ガス分析検査と重曹治療は重要です。
その重要性が理解されず、検査・重曹投与をされない獣医さん・飼い主さんが大変多くいらっしゃいます。
難しい検査(機械を置いている病院が少ない)とは重々承知しておりますが、この病気の治療には欠かすことのできない重要な検査ですので、どうぞ、発病と同時に検査ができるようにご尽力願います。

注記1) この病気では、血液ガス分析検査は“静脈”採血でOKです。
注記2) 最長6ヶ月をめどに定期的に行います。
     (病状によって検査の間隔はかかりつけ医と相談してください。)
注記3) 検査時間は投薬後(食事にませていれば食後)8時間あけて下さい。

関連ページ(共に併せて参考にし、治療にお役立てください。)

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血液ガス分析検査の出来る病院

ファンコーニ仲間からの情報・ネットサーフィン等で、血液ガス分析検査が出来る病院をリストアップしております。
      血ガス病院

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治療方法

このページは血液ガス分析検査のことのみお伝えしております、通常の治療も同様に行ってください。共に大切な治療です。 
           治療方法

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血液ガス分析検査の必要性

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ファンコーニ症候群を発病し血ガス検査を進めるのは、血液中の栄養であるHCO3(重曹)が体内にいかほどあるのか、又体が酸性に傾いていないか症状に依ってはpHやCO2などの値を参考にこの病気の重症度を調べるのが目的です。

ファンコーニ症候群とは?で、栄養がダダ漏れなんですよ…と書いておりますが、
HCO3(栄養)も同様に尿に出てしまっているので、それを知る為の検査です。

残念ながら、普通の血液検査で解ればよいのですがこのHCO3は血ガス検査でしか解りません。
HCO3はファンコーニ症候群であれば、必ず喪失していきます。
体内に足りていないと不調が出てきますので血液ガス分析検査が必要になるという訳です。

血液のお話になりますが、血液は体の内部の働きで一定のpHに保たれるようにできてるんですネ。
そのpHが正常値より酸性になろうとしている状態をアシドーシス、逆に塩基性になろうしているのをアルカローシスと呼び、ファンコーニ症候群は、おしっこにHCO3(アルカリ性)が出て体は酸側(アシドーシス)に傾いてしまう状態になります。

この酸側に傾いた体を正すために重曹(Hco3=アルカリ性)を与えるのです。

重曹の投与は、体内のpHを一定に・酸側に傾いた体を正し(なので、投与開始から血ガス検査時のHCO3の値は20以上のキープを目標とします。)健康体に近い値に引き上げる大切なことなんです。


血液ガス分析検査をされた方は結果の見方がよく解らないかもしれませんが、下記の値に注目してください。

PH・HCO3・BE・・・

ワタシ(素人)がこの病気に対してなんとなく理解できるこの3ヶ所の値です。
体が正常か・酸性に傾いているか・(治療中でアルカリが足りていたら)アルカリに傾いているか…
が解ります。

花・柚・くららが使用しているIDEXXという機種の平均値は

PHの平均値は7.31−7.42
HCO3の平均値は20−29

これを下回る結果であれば、体が酸側に傾いていることを示します。
上回る結果であれば、体がアルカリ側に傾いているので重曹の投与量を見直してください。

BEは他の値から計算して出される結果なので一概に言えませんがマイナス表示であればファンコーニ症候群を決定付けるひとつの目安になります。



【抜粋】ゴントー先生の論文には下記の様に書かれています。

F SODIUM BICARBONATE ANTACID TABLETS-
(Brands include URL, Rugby, Lily, Watson and Concord.)     
F 重炭酸ナトリウム塩制酸薬錠剤−
(この錠剤を扱う製薬会社にはURL, Rugby, Lily, Watson、Concordがある)     

This is THE MOST IMPORTANT component of this protocol.
これは本文献の最も重要な要素である。
Without correction of the Fanconi bicarbonate loss and correction of serum acid/base imbalance, this disease remains fatal.     
ファンコーニ症候群における重炭酸塩喪失および血清酸・塩基平衡異常の治療無しでは、この病気は致命的なままである。



ですので、普通の血液検査も、血液ガス分析検査も、尿から出てしまっている栄養が血液中にどういう影響を与えているかを知る為の検査です。
血液検査だけでは解らない情報が、血液ガス分析検査にあります。
血液ガス分析検査だけでは解らない情報が、血液検査にあるのです。

この2つの検査を常に行い、足りない栄養、足りてる栄養を定期的な検査で診てもらいます。
足りてない栄養は、お薬を頂いたり、食事の内容を考えて頂いて平均値内にもってくるよう指導してもらいます。

又、他に病状は進行していないかや違う病気を併発していないか、他の病気の初期を見過ごさないチェックにもなります。

定期的に行うこれらの検査は、ファンコーニを発病していても、元気で健康に過ごせているかを確認する大切なコトなのです。

なにより、ファンコーニ症候群の病気を理解することで誤治療を防ぐことも出来ます。

例えば、重曹投与を始め体に十分足りていると余分な重曹は尿に出ますので、尿のpHは常にアルカリ性に傾き
通常であれば結石の心配がなされpHコントロールの療法食など勧められますが、ファンコーニで重曹投与を開始していれば尿がアルカリ性に傾くのは致し方ないことなのでpHコントロールを与える必要は有りません。

むしろその食事は低たんぱくで電解質をセーブしているのでファンコーニの治療には向きません。
腎不全でも同様に、ファンコーニ症候群を持って腎不全を併発した場合腎不全の療法食では、低タンパク低リン食になりセーブされた食事は、ファンコーニで喪失されるタンパク質・栄養が更に摂取できないことになります。

タンパク・リン等、ファンコーニ症候群で尿中に喪失される上に食事でも摂取することができないということになり、必要以上に栄養が不足してしまうと言うことです。

なのに、腎臓の病気だから…と腎不全を併発していないのに腎臓サポートの療法食を勧める残念な先生も未だにいらっしゃいます。

更には、この病気の進行を助長させてしまうような点滴もあります。

他にも沢山の“ファンコーニ症候群であれば”を前提にした治療は、多くの注意事項が出てきます。

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最後に


この病気にとって食事で栄養をとること、各栄養を口から補うことは、
確実に“本来の寿命である生命の維持”に繋がっています。

尿に栄養がダダ漏れなのですから食事で補うことは必然・・・まずそれを理解してください。

そうすれば重曹を補うことも大切なこと、
重曹を与えるには血液ガス分析検査が必要なこと・・・が、
自然にご理解いただけると信じております。

ゆるやかに進行する為なかなか危機感を持ってもらうのが難しいのですが、
定期的な検査で“現状”を知っておくことはもっとも大切な“治療”です。

この文面を読んで早い段階から血液ガス分析検査の必要性、
重曹投与の治療の必要性を
、ご理解いただければと思います。

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